思いと現実とのギャップを感じる家事・育児の役割~結婚や子育てに関する意識その9~

今までは夫婦に関する話題で考えてきましたが、今回は子どもも含めた家族の話題です。

家事・育児をテーマにいろいろと考えていきましょう。

下図は、未婚・既婚子どもなし・既婚子どもありの男女別の「家庭での家事・育児の役割」について回答したデータです。

家事・育児の役割は夫と妻どちらかということについて集計されています。

図1:家庭での家事・育児の役割

出典:少子化社会対策白書(内閣府)(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2019/r01webhonpen/html/b1_s1-1-6.html)

未婚・既婚、子どもなし・ありに関係なく、「妻も夫も同様に行う」の割合は40%台です。

ただ、女性は、未婚→既婚(子どもなし)→既婚(子どもあり)の順に徐々に割合が減っており、特に既婚になったタイミングで大きく減少しています。

男性は、未婚と既婚(子どもなし)がほぼ同割合なのに対して、既婚(子どもあり)で大きく減少しています。

そして、「基本的には妻の役割であり、夫はそれを手伝う程度」が、上記「妻も夫も同様に行う」のデータの逆の割合になっています。

また、「どちらか、できる方がすればよい」は、子どもの有無で割合が大きく異なっており、子どもありとなった際に大きく割合が減少しています。

おおまかに見ると、「妻も夫も同様に行う」・「どちらか、できる方がすればよい」と答えていた人たちが、子どもが生まれてから、「基本的には妻の役割であり、夫はそれを手伝う程度」に回答が移行すると考えられるでしょう。

「できる方がする」方式は、夫婦お互いの家事・育児への気づきや取れる時間が同程度であれば、負担感がなく、良い形なのかもしれません。

ですが、『男性の家事・育児時間は出産に影響するか?~出産・子育てをめぐる意識等その5~』の“図2:6歳未満の子供を持つ夫婦の家事・育児関連時間(1日当たり・国際比較)”で見たように、現状、夫と妻の家事・育児にかけられている時間は大きく差があるので、主に妻の役割になったり、分担が必要だったりするのではないでしょうか。

次回は、実際に現状の家事・育児に費やす時間について、夫と妻がどのように感じているのかを見ていきましょう。

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