結婚後の働き方は経済面重視?精神面重視?~結婚や子育てに関する意識その8~

前回、結婚を希望している者で結婚していない20~40歳代の男女に聞いた結婚後の働き方についての調査結果をもとに、その理由を考察しました。

今回は、実際の結婚後の働き方についての回答理由を見ながら、考えていきましょう。

図1:結婚後の働き方についての回答理由

出典:少子化社会対策白書(内閣府)(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2019/r01webhonpen/html/b1_s1-1-6.html)

上図が結婚後の働き方についての回答理由のデータです。

nの値を見ると、「結婚後の夫婦の働き方」の調査結果から「わからない」と回答した人を除いた人が回答していると思われます。

上図の「自分は家庭のことに専念または集中したいから」より右の回答は、前回の「結婚後の夫婦の働き方」の調査結果で、「自分は働くが相手は働かない」・「相手は働くが自分は働かない」・「自分も働かないし、相手も働かない」と回答した人であると考えてよいでしょう。

「夫婦ともに働こうと思う」と「自分は働くが相手は働かない」の一部が、「働くことで経済的に自立していられると思うから」より左の回答と考えられます。

興味深いのは、パーセンテージが男女で同等のものがなく、回答の割合の男女差がはっきりしていることです。

男女ともに一番割合が高いのは、「経済的に共働きをする必要があるから」で一緒なのですが、男性はこの「経済的に共働きをする必要があるから」に回答が大きく偏っており、女性は他の回答との大きな差はそれほどありません。

内閣府男女共同参画局による平成23年度「「男性にとっての男女共同参画」に関する意識調査報告書」によると、「(結婚したら)一家の大黒柱は夫である」という質問に対して、男性の75.4%、女性の80.9%が、「とてもそう思う」「ややそう思う」と回答しています。

上記データは少し古いですが、上図の結果を見ても、男性が経済的な面を大きく重視しているのに対し、女性は精神的な面での回答も含めてバランスがとれていることから、今でも経済的大黒柱は男性であるという意識があると考えられます。

ただ、やはり、出産を担うのは女性であり、それによってキャリアの継続が難しい課題は現状もあるので、上記意識の男女差がなくなるのは当面難しいのではないでしょうか。

また、出産前でも、近年の晩婚化を背景に不妊治療を受ける夫婦が増加しており、厚生労働省が行った調査によると、仕事と不妊治療の両立ができず16%の方が離職しているそうです。
出典:不妊治療と仕事の両立サポートハンドブック(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/30.html)

2021年1月には、体外受精などの不妊治療への国による助成が拡充される予定です。

このような環境整備がどんどん整い、それぞれの夫婦が望む働き方が男女関係なく選択できるような世の中となってほしいものです。

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