昨今のニュースで、お隣韓国では出生率が「0.72」まで低下したとありました。
対して日本においても「1.26」で人口減少において変わりませんが、
なぜ韓国ではここまで出生率が低下したかを調べ、今後の日本の道しるべとしたいと考えました。
韓国出生率減少の原因
韓国で出生率が低下している主な要因として、適齢期の人が「結婚しづらい」と言うことのようです。
では、なぜ「結婚しづらい」のでしょうか?
結婚後の住宅の問題
韓国や中国では、結婚するときに男性が持ち家を持っていることが大きな結婚の条件になるようです。
これは各国の住宅事情によるところが大きいですが、日本も含めいずれの国も都市化により、家賃の上昇や不動産価格の高騰から来ているのでしょう。
韓国も日本もここ30年程度は物価も落ち着いてきました。
日本は、バブル期を過ぎてデフレの状態が続いてきました。
韓国も2013年頃より低い物価水準で来ましたが、韓国も日本もコロナ期を境に物価が上昇して来たようです。
韓国ではソウル市内のマンション(アパート)価格が高騰していましたが、ここのところ少し戻してきたようですが、市内のマンション価格のレベルは都内と同様高く、適齢期の男性が中々手がだせないレベルです。
また韓国では、住宅を賃貸する場合でも「チョンセ」と言う制度があり、多くの金額を保証金として家主に入れる制度もあり、若い人がすぐに結婚に踏み込むことが出来ない原因ともなっているようです。
企業格差の待遇
韓国では、大企業と中小企業の賃金格差に大きな開きがあります。
10年も前でしょうかソウルのサムスン電子のそばの焼き肉店で食事をしていた時も、サムスン電子の社員の一行が現れると、お店の人もサムスン電子の社員に非常に気を使っていました。
それだけ彼らは給料が良く、落とすお金も多いのでしょう。
大企業と中小企業、正規労働者と非正規労働者の賃金の格差が日本以上に広がっています。
大企業に対する中小企業の賃金水準は、韓国雇用労働部のデータによると2021年には54・5%まで下がっています。
中小企業の社員は大企業の社員のほぼ半分の待遇だと言うことです。
また、就職難にての非正規労働者の増加は、これも正規社員の半分ぐらいの待遇で、格差拡大の大きな要因とされています。サムスンのような待遇のよい企業を目指す若者は厳しい競争にさらされます。
韓国と日本の国民一人当たりのドル換算GDP
ここで、韓国と日本の国民一人当たりのドル換算GDPを実績から将来予測で比べてみます。
韓国の場合は、
2021年には、おおよそ 50,000ドル、750万円で、2028年には、おおよそ 70,000ドル、1050万円 に達する予測です。
これに対し日本は国民一人当たりのドル換算GDPでどうでしょうか、
2021年には、おおよそ 40,000ドル、600万円で、コロナ禍を経て落ち込みましたが、2024年から上昇しても、
2028年には、おおよそ 42,400ドル程度、636万円 に達する予測で、韓国の方が400万円以上も国民一人当たりの生産額が多いことになります。
以上は全て、現状円安のドル円レート150円として計算しました。
韓国は以前より急速なデジタル化を社会全体に政府・民間が推し進め、日本と違い効率的な社会に変化しています。
これに対し、日本の政府や行政の役人を見ていると変化を拒み、事なかれ主義で既得権益にしがみついているようにも見えます。
この辺りを変えないと日本はどの国にも抜かれていくでしょう。
韓国の急激な経済成長と社会事情
日本が亀なのか韓国がウサギなのか、経済効率から言うと日本は韓国に大きく負けています。
それだけ、韓国の国民による経済成長意欲に日本の国民は負けているのでしょう。
しかし韓国にしても、今回の出生率低下に現れているように、急激な成長を目指すあまり国民にしわ寄せがいっています。
韓国は国民年金制度の歴史がまだ浅いです。国民皆年金に拡大したのは1999年で、まだ20年余りしか年金制度がたっていません。
加入期間が短い今の高齢者は年金金額も少なく、退職後に自営を始める人も少なくないようですが、うまくいく人はごく一部に過ぎません。高齢者の貧困を加速させています。
これは、経済成長を優先させたためと考えられています。年金は企業の負担を増やします。企業の負担増となると経済成長が鈍くなるという配慮が政府にあったのでしょう。
まとめ
年金の問題は、今は是正されてきたようですが、結婚適齢期の若者はこの厳しい競争を乗り越え、格差のトップを幼少のころから受験で乗り越えていくわけです。
また、国民的な差はあるでしょうが、現代の女性の要望も結婚を前提に、経済面、住宅面、など色々と男性として乗り越える障壁もあります。
これからAIも発展するでしょうし、デジタル化をして社会や行政などの効率を上げることは必須項目です。
日本も改善をして生産性を上げるようにしていただきたいです。
日本と韓国、国としての多少の差はありますが、状況は似ているのではないでしょうか。
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