最盛期から約4割となってしまった婚姻率~婚姻・出産の状況その1~

前回までは、出生数・出生率の面から諸外国と比較しつつ、少子化対策を考えてきました。

今回は、もう少し前の段階に目を向けて、結婚の状況からみていきましょう。

下図は、1947~2017年までの過去70年間の婚姻件数及び婚姻率の推移です。

図1:婚姻件数及び婚姻率の年次推移

出典:少子化社会対策白書(内閣府)(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2019/r01webhonpen/html/b1_s1-1-3.html)

婚姻件数を見ると、1972(昭和47)年には過去最高の約110万組という数字を出しましたが、下降傾向となり、2017(平成29)年には最低の約60万組となりました。

婚姻率を見ると、1947(昭和22)年が最高で12.0%、婚姻件数が最高だった1972(昭和47)年も10.4%ですが、こちらも下降傾向となり、2017(平成29)年には最低の4.9%となりました。

婚姻件数や婚姻率の低下傾向の要因は複数あるでしょうが、このようなデータがあり、興味深いです。

図2:結婚年次別にみた、恋愛結婚・見合い結婚構成の推移

出典:第15回出生動向基本調査(国立社会保障・人口問題研究所)(http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou15/report15html/NFS15R_html06.html#h3%202-1-2)

1965~1970年頃に見合い結婚のパーセンテージが恋愛結婚のパーセンテージを下回っていて、婚姻件数・婚姻率の低下傾向と連動しているように感じます。

また、「近年1.5を割る出生率はどのように推移してきたのか?」でも書きましたが、「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」という考え方に関する意識の変化や共働き世帯の増加、女性の短期大学・大学への進学率の増加なども要因としては考えられるのではないでしょうか。

要因も気になるところですが、まずはもう少し婚姻・出産の状況を見ていきたいと思います。

次回はちょっと違う視点で「未婚率」などから考えていきましょう。

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