平均初婚年齢と初婚年齢のピークは?~婚姻・出産の状況その4~

前回のブログでは、平均初婚年齢と晩婚化について主要国とも比較しながら考えました。

今回は、夫・妻それぞれの年齢別初婚率のデータを見ながら、平均初婚年齢と初婚年齢のピークについて見ていきましょう。

下図は、5歳階級の年齢別初婚率です。

夫のデータも妻のデータも、どちらも25~29歳が初婚のピークというのは同じですが、年によりグラフの角度が異なります。

1990(平成2)年を見ると、夫はピークの25~29歳を挟み、その両サイド(20~24歳、30~34歳)はどちらも30%前後と大きく変わりはありません。

しかし、妻は25~29歳がピークなのは同じですが、その両サイドは大きく変わります。

20~24歳は54.40%、30~34歳は12.73%と40%以上もの差があります。

しかし、年が進むにつれて、夫のグラフの形は大きく変わりはないことに比べ、妻は大きく変わりました。

妻のグラフは、年が進むにつれて、20~24歳の初婚率が大きく下降し、30~34歳の初婚率が大きく上昇しました。

そして、2017(平成29)年のグラフを見ると、パーセンテージは異なりますが、25~29歳がピークを挟んで両サイドが大きく変わらないという、夫と妻とのグラフの形が似たデータになりました。

図1:年齢(5歳階級)別初婚率

出典:少子化社会対策白書(内閣府)(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2019/r01webhonpen/html/b1_s1-1-3.html)

では、なぜ妻のグラフはこのように変化してきたのでしょうか?

下図は、調査・年齢別にみた、 各「独身にとどまっている理由」の選択割合です。

18~24歳の女性の「独身にとどまっている理由」で、「仕事(学業)にうちこみたい」の割合が大きく上昇傾向であることが分かります。

いままでのブログにも書いてきましたが、女性の大学進学率も上昇傾向で、そのぶん、仕事に対する意識も上昇しているのではないでしょうか。

図2:調査・年齢別にみた、 各「独身にとどまっている理由」の選択割合

出典:第15回出生動向基本調査(国立社会保障・人口問題研究所)(http://www.ipss.go.jp/site-ad/index_Japanese/shussho-index.html)

ただ、下図のように、18~34歳の女性の未婚者の意識として、「いずれ結婚するつもり」の割合に大きな変化はないことから、その年代の年齢別初婚率もトータルの割合で見ると大きな変化がないと思われます。

図3:調査別にみた、 未婚者の生涯の結婚意思

出典:第15回出生動向基本調査(国立社会保障・人口問題研究所)(http://www.ipss.go.jp/site-ad/index_Japanese/shussho-index.html)

次回からは、そのあたりをもっとじっくりとデータをもとに見ていき、結婚をめぐる意識等について考えていきましょう。

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