出生数、出生率の推移を見る本シリーズでは、欧米の諸外国やアジア諸国との比較をしてきました。
シリーズ最後は、国内に目を向け、出生率のデータから考えていきましょう。
下図は、1975(昭和50)年、1990(平成2)年、2005(平成17)年、2017(平成29)年の女性の年齢別出生率のグラフです。
図1:女性の年齢別出生率
出典:少子化社会対策白書(内閣府)(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2019/r01webhonpen/html/b1_s1-1-2.html)
時代の経過とともに、出生率のピークが異なっています。
1975年のピークは25歳で0.22、1990年は28歳で0.16、2005年は30歳で0.10と推移してきました。
ピークの年齢が高齢化傾向であり、出生率も下がってきていますが、グラフの山の形が急なものからなだらかなものへと変化もしており、最近の出産年齢は幅広くなってきているとも読めます。
また、2005年と2017年では、グラフの形はあまり変わりませんが、2017年の方が20代の出生率が下がり、30代以降の出生率が上がっています。
以前のブログ「近年1.5を割る出生率はどのように推移してきたのか?」で、専業主婦世帯と共働き世帯のデータから、1995年前後で専業主婦世帯を共働き世帯が追い越していることが確認でき、同じころに女性の短期大学・大学への進学率もグッと上がっていることが確認できました。
女性の進学率の上昇やなくなりつつある終身雇用制度・年功序列制度などによる晩婚化や、さらに共働き世帯による出産時期の考慮によって上記のようなグラフとなりつつあると考えられるのではないでしょうか。
次は、婚姻・出産の状況をテーマに少子化について考えていきましょう。
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