社会保障の面から日本と諸外国の出生率について考える。~その3~

日本と諸外国の出生率を見比べる本シリーズ。

第一回は「日本の出生率と諸外国の出生率を見比べてみると…?」として出生率を見比べ、第二回は「日本と諸外国の出生率を見比べる。スウェーデンの施策は?」として具体的に諸外国の両立支援の施策を見てきました。

今回は、社会保障面から日本と諸外国の違いを見ていきたいと思います。

下図は、各国の家族関係社会支出(家族を支援するために支出される現金給付及び現物給付(サービス)を計上)の対GDP比を比較したものです。

図1:各国の家族関係社会支出の対GDP比の比較


出典:少子化社会対策白書(内閣府)(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2019/r01webhonpen/html/b1_s1-1-2.html)

日本の1.29%に比べて、前回のブログでも比較したスウェーデンは3.54%です。

この内訳はどのようになっているのでしょうか?

下図は、2011年のデータで上図より古いデータになりますが、内訳の参考として引用します。

図2:家族関係社会支出の対GDP比の比較


出典:平成27年版厚生労働白書(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/15/)

現金給付の家族手当は日本とスウェーデンは同程度ですが、出産・育児休業給付はスウェーデンは日本の約3.7倍、その他の現金給付は約6倍です。

また、現物給付では、就学前教育・保育がスウェーデンは日本の約3.4倍、その他の現物給付は約7.5倍、ホームヘルプ・施設は日本は0%でした。

前回のブログで両立支援について書きましたが、スウェーデンの女性が就業の継続を見込みつつ取得しやすく、男性の取得も後押ししている育児休業制度、待機児童問題がほぼない保育サービスなどから、共働き世帯にとって、持続可能な育児環境があると考えられます。

育児を支援する社会保障費の割合を高めても、すぐにその成果が出るものではないと思います。

しかしながら、一時的な現金給付を繰り返すより、「持続可能」な視点で長期的に解決していくことを考えるべき問題ではないでしょうか。

日本は子供を生みやすい国だろうか?-
色々の角度から、外国との比較をして見た関連記事です。

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