前回は、都道府県別の合計特殊出生率 について見てきました。
今回は、そのデータから、出生率が高かった沖縄県・宮崎県と、出生率が低かった東京都・北海道をピックアップして年齢別出生率について全国平均と比較してみましょう。
図1:都道府県別の年齢(5歳階級)別出生率(2017年)
出典:少子化社会対策白書(内閣府)(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2019/r01webhonpen/html/b1_s1-1-7.html)
出生率が最も高かった沖縄県は、どの階級においても全国平均を上回っており、偏りなく全体的に出生率が高い傾向です。
次に高かった宮崎県は、34歳以下が全国平均を上回っており、特に25~29歳の階級で大きく上回っています。
厚生労働省調査の令和元年(2019)人口動態統計(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei19/index.html)によると、平成12年(2000年)頃までは、合計特殊出生率が全国平均でも25~29歳の階級が一番高いです。
それ以降は全国平均では出産の高齢化が進んでいますが、宮崎県ではその頃の傾向がまだ残っているように見受けられます。
出生率が2番目に低かった北海道では、30~34歳の階級が一番出生率が高く、高齢化の傾向は見られるものの、29歳以下の階級で全国平均とほぼ変わらないか、それを上回る数値となっています。
しかし、出生率が最も低かった東京都では、35歳以上の出生率が全国平均を上回っており、高齢化が進んでいると感じられます。
下図は、都道府県別50歳時の未婚割合ですが、出生率のデータとは関連が見られるでしょうか。
図2:都道府県別50歳時の未婚割合(2015年)
出典:少子化社会対策白書(内閣府)(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2019/r01webhonpen/html/b1_s1-1-7.html)
女性の50歳時の未婚割合は、東京都、北海道の順に高く、都道府県別合計特殊出生率と似た傾向にあります。
しかし、男性の50歳時の未婚割合が最も高いのは沖縄県で、逆の結果となりました。
未婚割合も出生率にまったく影響がないわけではないでしょうが、今までの考察からすると、少子化に影響があるのは未婚割合よりも経済面や子育て支援面ではないかと考えられるのではないでしょうか。
異性との出会いやお付き合い・結婚という面も非常に重要なテーマではありますが、少子化対策という面から見ると、妊娠・出産可能とみられる状態の男女に対する各種支援を質・量ともに充実させることが大切だと思います。