中国 61年ぶりに人口減少へ

1月17日、中国国家統計局は、2022年末の中国の人口が、2021年比で85万人減少し、14億1175万人だったと発表しました。人口世界一は中国ではなく、インドになりました。

 中国の人口減少は、1961年以来、実に61年ぶりのことで、出生数は前年比106万人減の956万人で、6年連続の減少であり、人口1000人当たりの出生率は過去最低の6.77人でした。中国でも少子化が深刻化しています。

少子化については、実は東アジアで深刻になっており、中国や日本に限らず、韓国や台湾、香港、マカオでも深刻な問題となっています。2020年の東アジア合計特殊出生率(人口に対して生まれた子供の数を表す指標の 一つ)が低いのは、1位:韓国(0.84)、2位:香港(0.87)、3位:台湾・マカオ(1.07)、4位:中国(1.28)、5位:日本(1.34)となっており、日本よりも近隣国はさらに下回っているのです。

今まで中国は人口抑制のために「一人っ子政策」を実施してきましたが、2015年末にはこの人口抑制策を廃止し、2016年からは2人目、2021年からは3人目を解禁しています。それでも、少子化に歯止めがかからなかった理由には、子供一人を育てるための教育費が高いためです。中国と韓国は日本以上に教育費が高いために、二人目以降の教育費を捻出することが困難となっているようです。今後中国がどのような少子化政策を打ち出し、実現していくのか、世界中から注目が集まりそうです。

フランスでは、合計特殊出生率が1993年には1.66から、2020年には1.83に上がっており東アジアよりはるかに上回っています。これは家族手当、低所得者への保育料無料など様々な支援策を実行し、教育は大学まで無償としたことなどで好転したようです。

日本では、岸田政権が「異次元の少子化対策に挑戦する」と発表し、小池都知事も「チルドレンファースト」を掲げ、0~18歳の子供がいる家庭を対象(所得制限は設けない)に、子供ひとりあたり月5000円を給付する方針を明らかにしました。今後日本の少子化にどれだけ歯止めがかかるのか期待していものです。

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